★
数日後…
ξ゚⊿゚)ξ「えっと、次の講義はっと……」
ツンは一人、廊下を歩いていた。
('A`)「でさ、山荘の無料宿泊券4名様分が当たったんだ」
(´・ω・`)「しかも食事つきなんだろう?」
( ^ω^)「フヒヒ、凄いお。ドクオは本当にラッキーな男だお」
(*'A`)「うへへ、よせやい」
(´・ω・`)「でも4名様なんだろ?あと一人どうするんだい?」
ブーン達が廊下の角を曲がる。
その時…
ξ>⊿<)ξ「キャッ!」
( ゚ω゚)「アッー!」
ξ#゚⊿゚)ξ「ちょっと!どこ見て歩いてんのよ!!」
(#^ω^)「それはこっちのセリフだお!」
ξ゚⊿゚)ξ「ってアレ?あんたこの前図書館で……」
( ^ω^)「そういう君は……」
★
バスに揺られながら四人は山荘を目指していた。
ξ゚⊿゚)ξ「すみません、なんか私まで…」
( ^ω^)「気にすることないお。この前ぶつかっちゃったお詫びだお」
(´・ω・`)「まぁ券が一枚余っただけなんだけど」
(;'A`)「言うなよ…」
バスは快適に走っていた。
バスにはツン達と、学生などが数人乗っていた。
「携帯でテレビ見るか?」
「見る見る!」
(#^ω^)「ウルサイDQNだお」ビキビキ
('A`)「無視しとこーぜ」
『次は、最近話題の連続猟奇殺人事件の続報です』
「つまんねーよ、変えろ変えろ!」
「わかってるよ!」
(´・ω・`)「静かにしないと、ぶち殺すぞ」
「ヒィィーッ」
「ズ、ズビバゼン…」
(´・ω・`)「注意してきたよ」
(;^ω^)「す、凄いお…」
★
山に近付くにつれて、乗客は減っていった。
学生達もだいぶ前に降りてしまっていた。
バスには、もうツン達しか乗っていなかった。
「間もなくー、終点、終点です」
('A`)「さ、降りるとするか」
( ^ω^)「お疲れ様だおー」
バスが停車すると、ぞろぞろと出入口に向けて歩きだした。
ドクオ、ブーン、ショボンが乗車賃を払い、最後にツンが払う。
「この天気だと、今夜は大雪ですよー。お気をつけて」
バスのドアが閉まる。
ツンが空を見ると、確かにどんよりとした雲が漂っていた。
ξ゚⊿゚)ξ「大雪か…」
( ^ω^)「どうかしたかお?」
ξ゚⊿゚)ξ「なんでもないです。さ、行きましょ!」
四人は砂利だらけの山道を歩いて目的地である山荘を目指した。
途中、『流石山荘まであと1km』という看板を見付け、四人の顔は疲れてドクオのようになる。
( 'A`)「まだかお…もう疲れたお……」
('A`)「しっかりしろよ、ブーン」
ξ'A`)ξ「1kmってどれくらいなのかしら…」
(´'A``)「あ、橋が見えてきたよ」
ショボンの言う通り、目の前には橋が見えた。
木製の古びた吊り橋である。
ξ゚⊿゚)ξ「怖いわね。足場が抜けたりしないかしら」
(;^ω^)「だだだだだ大丈夫だお。ぼぼぼーぼ・ぼーぼ僕がついてるお」
('A`)「おめぇが一番怖がってんぞ」
ぐらぐらと揺れる吊り橋をなんとか渡り終え、皆は胸を撫で下ろす。
そんな時だった。
連続猟奇殺人事件
今夜は大雪
どんよりとした雲
木製の古びた吊り橋
ξ;゚⊿゚)ξ「な、なに…?」
ツンの思考の中に、先程の出来事が文字になって現れた。
( ^ω^)「どうかしたかお?」
ξ゚⊿゚)ξ「な、なんでもないです…」
ツン本人にも何が起きたのか理解できなかった。
★
流石山荘。
フロントで少しばかりいざこざか起きる。
流石兄弟…この山荘の経営者だ。
そして、その流石兄弟に突っかかっているのは宿泊客のニダーである。
<#ヽ`∀´>「なんで起こさなかったニダ!!」
(;´_ゝ`)「いや、何も言われなかったですし…」
<#ヽ`∀´>「最終のバスが行くとわかってれば昼寝なんかしなかったニダ!謝罪と賠償を…」
(´<_` )「代金は無料にします」
<ヽ`∀´>「そ、そうニダか?じゃあ許すニダ」
弟者の言葉に、上機嫌になったニダーはさっさと自分の泊まっている部屋に戻っていく。
(#´_ゝ`)「いきがんなよ、チョンが」
ニダーの後ろ姿を見ながら、兄者が軽く舌打ちした。
( ´_ゝ`)「だが弟者、無料にしてどうする?」
(´<_` )「昨日の宿泊代は前払いだ。返す気はない」
( ´_ゝ`)「では今日の分と?」
(´<_` )「飯は無料宿泊券の当たった客共のために安上がりにしてある」
( ´_ゝ`)「…あのチョンの部屋は、一日分ベッドメーキングも何もしなくていいと?」
(´<_` )「わかってるじゃないか、兄者」
( ´_ゝ`)「GJだ、弟者」
( ´_ゝ`)「流石だよな俺達」(´<_` )
そんなやりとりが終わると同時、山荘にツン達が到着した。
('A`)「こんちは、無料宿泊券が当たった者ですが」
( ´_ゝ`)「ようこそ流石山荘へ。何もサービスはないが落ち着いてほしい」
(#´・ω・`)「なんか僕のセリフ取られた気がするよ」
(´<_` )「冗談はさておき、お部屋にご案内します」
ツン達は弟者に案内され、部屋に向かう。
(*゚ー゚)「ねぇねぇギコ君、私達トイレも一緒だよね」
( ,,゚Д゚)「当たり前だぜ、しぃ」
ツン達と擦れ違うように、カップル客が通り過ぎた。
('A`)「羨ましい…」
( ^ω^)「ドクオにもいつか彼女できるお!安心するお!大丈夫だお!」
('A`)「心が篭ってない慰めありがとよ」
(´<_` )「お待たせしました。みなさんはこの四部屋をお使いください」
★
ツン達が部屋に通されたその頃…
( <●><●>)「ただいま戻りました」
( ><)「野鳥観察楽しかったんです」
(*‘ω‘ *)「ちんぽっぽ」ぼいんっ
フロントに別の泊まり客の一行がやってくる。
( ´_ゝ`)「お帰りなさいませ、ごしゅ…ちんぽっぽ様、わからないんです様、わかってます様」
( <●><●>)「何を言おうとしたかわかってます」
( ><)「気にしない方がいいんです」
(*‘ω‘ *)「ちんぽっぽ」ぼいんっ
( ><)「疲れたので部屋に戻ります、キーをください」
( ´_ゝ`)「はい、こちらです」
( ><)「大降りになる前に帰ってこれて良かったですね」
( <●><●>)「雪が降るのはわかってました」
(*‘ω‘ *)「ちんぽっぽ」ぼいんっ
(//<●><●>)「そんなこと言われると照れるのもわかってました」
キーを受け取ると、ちんぽっぽ達は仲良く会話しながら部屋に戻っていった。
<ヽ`∀´>「良いこと聞いたニダ。ウリも野鳥観察してくるニダ」
( ´_ゝ`)「はぁ、行ってらっしゃいませ」
話を聞いていたニダーは、兄者にキーを渡すと山荘を出ていった。
( ´_ゝ`)「……一生帰ってこなきゃいいのになぁ」
★
ξ゚⊿゚)ξ( ^ω^)「カンパーイ!!」('A`)(´・ω・`)
ドクオの部屋に集まったツン達。
ξ゚⊿゚)ξ「本当、ありがとうございました」
( ^ω^)「気にしなくていいんだお。どうせドクオのおかげだお」
('A`)「どうせって……」
(´・ω・`)「でもツンさんとブーンて偶然がよく重なるよね」
('A`)「フラグ立ちすぎじゃね?」
ξ゚⊿゚)ξ「フラグ?」
( ^ω^)「口で説明するのは難しいお…いわゆるお決まりのパターンのことだお」
(´・ω・`)「それが起きると恋に落ちたり死んだりしちゃうんだよね」
('A`)「恋愛フラグと死亡フラグってヤツだな」
ξ゚⊿゚)ξ「へえ」
( ^ω^)「同じ本を同時に手に触れたり、角を曲がるとぶつかったり」
ξ゚⊿゚)ξ「あぁ、それで…」
( ^ω^)「ちなみに趣味は?」
ξ゚⊿゚)ξ「ネットです。ヤフオクで欲しい物落札してるだけなんですけど」
( ^ω^)「僕もネットが趣味だお!またフラグが立ったおwwwww」
('A`)「ネットっつってもお前はVIPばっかだろ」
(´・ω・`)「それなら僕達だって趣味が同じだよね」
ドクオとショボンにツッコミを入れられるブーンを見ながら、ツンは何かを思い出した。
ξ゚⊿゚)ξ「…そういえば私、そういうこと結構起こりますよ」
( ^ω^)('A`)(´・ω・`)「え?」
ξ゚⊿゚)ξ「上京するとき新幹線で名前が同じ子と出会って」
('A`)「ルームシェアしたとか?」
ξ゚⊿゚)ξ「はい。他には前の彼氏なんかは合コンで知り合ったんですけど、同じアパートのお隣さんだったんです」
( ^ω^)「そ れ は な い…と言いたいけど、これは凄いお」
(´・ω・`)「運命的だね、そういう人生って羨ましいよ」
ξ//⊿/)ξ「そ、そんなことないですよ!なんか私酔っちゃったみたい、部屋に戻りますね」
顔を真っ赤にしたツンは、部屋を飛び出していった。
ブーン達のお目当てともいえるツンがいなくなり、静まり返る部屋。
('A`)「…お開きにするか」
( ^ω^)「…そうするお」
(´・ω・`)「…じゃあ、また夕食で」
★
雪は時間が経つにつれ、その激しさを増す。
<ヽ`∀´>「うぅ~…冷える冷えるニダ…」
野鳥観察に出たニダーは、結局野鳥一羽も見付けられなかった。
<ヽ`∀´>「こんなことなら部屋に入れば良かったニダ…」
がっくりと肩を落としながら、とぼとぼと歩く。
雪は止む気配がなく、ニダーの体を冷やした。
<ヽ`∀´>「ションベンしたくなったニダ…」
寒さで体が震え、尿意が襲う。
ニダーは立ち止まると、その場で小便をし始めた。
<ヽ`∀´>「ふ~…ジョロジョロ出るニダ」
湯気を出す小便を見つめるニダー。
何も考えていないで、ただ終わるのを待っている。
そんなニダーに、黒い影がゆっくりと近付いていた…。
★
時刻は夕食時になり、食堂に宿泊客が集まりだす。
(´<_` )「今日はバイキング形式になってまーす。お好きにお取りくださーい」
弟者が客達に声をかけていく。
( ^ω^)「バイキング大好きだおwww」
ξ゚⊿゚)ξ「よく行くんですか?」
('A`)「まぁこいつの場合は食べ放題だからだがな」
ツン、ブーン、ドクオは揃って料理を取りに行く。
(*゚ー゚)「ギコ君、私がこれがいいなぁ」
( ,,゚Д゚)「俺もこれにしようと思ってたぜ」
(*゚ー゚)「嬉しい。じゃあ席に戻ったらあ~んしてあげるね」
先に料理を選んでいたしぃとギコは、料理を取り終えると仲良く寄り添って席に戻っていく。
( ><)「なんか味が薄い気がします」
( <●><●>)「手を抜いたのはわかってます」
(*‘ω‘ *)「ちんぽっぽ」ぼいんっ
別のテーブルでは、ちんぽっぽ達が食事をしていた。
(´・ω・`)「ごめん、お待たせ」
('A`)「遅いじゃねーか」
(´・ω・`)「すまない、ちょっと散歩してきたんだ」
ξ゚⊿゚)ξ「雪大丈夫でした?」
(´・ω・`)「たいぶ降ってきたよ、ほら」
ショボンが窓を指差す。
窓の外縁にはだいぶ雪が付いており、大雪になりつつあった。
(;´_ゝ`)「弟者…」
(´<_` )「どうした?兄者」
(;´_ゝ`)「あのチョンが帰ってこない」
(´<_`;)「迷ったか?外はもう大雪だぞ…」
(;´_ゝ`)「仕方ない。一応は客だ、探してくる」
(´<_`;)「任せた」
ヒソヒソと会話する流石兄弟の顔は、焦りに滲んでいた。
兄者はそんな表情のまま、食堂を出ていく。
そのやりとりをツン達は遠くで見ていた。
( ^ω^)「何かあったのかお?」
('A`)「さぁな。どうせ俺達には関係ねーよ」
(´・ω・`)「さっさと食べて部屋に戻ろうか」
ξ゚⊿゚)ξ「そうですね」
★
ますます激しさを強めていく雪。
ニダーを探しに出た兄者も、その雪の激しさに見回れていた。
(;´_ゝ`)「あのチョン、迷惑ばかりかけやがる…」
雪が積もりつつある地面を踏みしめ、兄者は先を進んだ。
夜ということと、この天気ということが合わさって、視界はかなり悪い。
懐中電灯をつけていても、足元を照らすのが精一杯だった。
(;´_ゝ`)「…行き違いになったかもな」
兄者の中に、半ば諦めのような感情が芽生える。
山荘に帰ろうと、立ち止まった。
( ´_ゝ`)「ん?」
照らされた足元に、何かを発見する。
それは、紛れもない人の手だった。
恐る恐る、照らす場所を移動させていく。
そして…
<ヽ`∀´>「……」
(;´_ゝ`)「!! し、死んでる……」
★
しぃとギコの部屋。
夕食を食べ終わった二人は、部屋に戻っていた。
( ,,゚Д゚)「は、早くしようぜ」
(*゚ー゚)「駄目、シャワー浴びてくるからちょっと待ってて」
ギコはすでに臨戦体勢。
しぃもまんざらでもない様子だ。
浴室に向かうしぃを名残惜しそうに見送り、ギコは早くしぃが戻ってこないかと待つ。
シャワーの音が聞こえてきた。
(*,,゚Д゚)「しぃの裸ハァハァ」
なんてことを思わず想像してしまう。
そんなギコがいるベッドに、足音が近付いてくる。
( ,,゚Д゚)「待ってたぜ!し…ぃ……」
まだ、シャワーの音は浴室から響いていた…。
★
(*゚ー゚)「るんるんるるーん♪」
鼻唄混じりに、全身を洗うしぃ。
(*゚ー゚)「ギコ君と初めてのセックスだぁ…緊張するなぁ」
口ではそう言っているが、心はもうそのことでいっぱいである。
「……」
(*゚ー゚)「ギコ君?まだ駄目だよ、ちょっと待ってて」
カーテン越しに人影が映った。
(*゚ー゚)「もう、ギコ君はエッチなんだからぁ」
恥ずかしいが、嬉しかった。
(*゚ー゚)「ギコ君?」
しかし、そんな気持ちも、段々と薄れた。
カーテン越しの人影は、一言も喋らない。
(*゚ー゚)「ねえ…どうかしたの?」
返事はない。
その直後、カーテンが勢いよく開かれた。
(;゚ー゚)「キャアアアアア!!」
叫び声は、シャワーの音に掻き消される…。
★
兄者がニダーを探しに出てから数時間。
(´<_`;)「兄者…」
ニダーはおろか兄者すら戻ってこない状況に、弟者は不安を募らせた。
(;´_ゝ`)「い、今戻った…」
ドアを激しく開き、顔面蒼白の兄者が戻ってくる。
その顔が、寒さで血の気が退いたわけでないのだと、弟者はすぐに気付いた。
(´<_`;)「ど、どうかしたのか?」
(;´_ゝ`)「あ、あの客…死んでた」
がちゃがちゃと玄関の鍵を閉めながら、兄者が言う。
(´<_`;)「そんな…」
(;´_ゝ`)「しかも殺されてたんだ…と、とにかく警察に電話しろ」
(´<_`;)「わ、わかった…」
弟者は受話器を持ち、ボタンを押す。
だが…
(´<_`;)「繋がらない……」
(;´_ゝ`)「なんだと……」
(´<_`;)「この雪で電話線が切れた…?」
(;´_ゝ`)「わからん…そうだ、お前は客を呼んできてくれ。俺は戸締まりを確認してくる」
(´<_`;)「は、把握」
★
弟者の呼び掛けでロビーに集まる宿泊客。
ξ゚⊿゚)ξ「……」
( ^ω^)「……」
('A`)「……」
(´・ω・`)「……」
(*‘ω‘ *)「……」
( ><)「……」
( <●><●>)「……」
ロビーは実に静かだった。
まだなんの説明もされていないツン達は、黙っているしかなかった。
( ´_ゝ`)「待たせたな。鍵は全部閉めてきた」
(´<_` )「客もだいたいは揃った」
( ´_ゝ`)「いないのは…あのカップル客か」
(´<_` )「寝てるのか?まぁいい、兄者」
( ´_ゝ`)「あぁ」
兄者は息を吸い、呼吸を整えると、ゆっくりと口を開いた。
( ´_ゝ`)「お客様の一人が、お亡くなりになりました」
兄者の一言に、ツン達に動揺が広がる。
(;'A`)「心臓発作か何かですか?」
(;´_ゝ`)「いえ……殺しです」
(;<●><●>)「そう言うだろうと、わかってました……」
皆驚きを隠せない様子だった。
(;´・ω・`)「まさか、最近ニュースになってる猟奇殺人犯じゃ…」
(((;><)))「こ、怖いんです……」
ざわざわと騒ぎ出す者。
(;^ω^)「おっお…」
(;*‘ω‘ *)「ぽっぽ…」
言葉にならない声を上げる者。
(´<_`;)「そうだとしたらますます危険じゃないか」
(;´_ゝ`)「鍵は閉めてきた。みんなここにまとまっていれば、安心だろう」
ξ;゚⊿゚)ξ「あ、あの…カップルのお客さんも呼んだ方がいいんじゃないですか?」
(;´_ゝ`)「そ、そうですね」
ツンの言葉に、兄者は急いでギコとしぃが泊まっている部屋に向かった。
★
思いきりドアを叩く。
しかし、誰も出てくる気配がない。
(;´_ゝ`)「ギコさんしぃさん!?」
何度も何度もドアを叩き、大声で呼びかける。
(´<_`;)「どうした兄者」
そんな兄者を心配した弟者や他の客が、部屋の前にやってくる。
(;´_ゝ`)「呼んでも返事がないんだ」
(´<_` )「仕方ない、予備のキーだ」
( ´_ゝ`)「すまない」
兄者が鍵を開け、ゆっくりとドアを開く。
聞こえてくるのは、シャワーの音だけ…。
( ´_ゝ`)「弟者、お前はシャワーを止めてきてくれ」
(´<_` )「御意」
( ´_ゝ`)「ギコさーん、しぃさーん」
やはり、何も返ってこない。
寝室にゆっくりと足を踏み入れる。
ベッドの上に、人がいた。
( ,,゚Д゚)「……」
ξ;゚⊿゚)ξ「キャアアア!!」
ツンが叫ぶ。
ギコは、無惨な形で殺されていた。
(´<_`;)「あ、兄者!浴室で、しぃさんが殺されている……」
シャワーを止めに行った弟者が慌てて部屋に入ってくる。
(´<_`;)「あぁ…ギコさんまで……」
(;'A`)「じゃあ、もうその殺人犯はこの山荘の中にいんのかよ…」
(((;><)))「怖いんです!ぼ、僕は部屋に戻ります!」
(;<●><●>)「一人でいるのが危険なのはわかってます」
(;><)「部屋に閉じ籠っていれば平気です!!」
わかってますの制止を押し切り、わかんないですは走っていった。
(*‘ω‘ *)「ちんぽっぽ……」
( ´_ゝ`)「我々はロビーに戻りましょう」
(;^ω^)「はいだお…」
★
何時間経ったのだろうか。
まだ日は昇る兆候もない。
ロビーで静かに固まる彼等には、時間の経過がとても長く感じた。
ξ゚⊿゚)ξ「そういえば電話、繋がらないんですよね…」
( ´_ゝ`)「あ、はい…」
(´・ω・`)「そうだ、携帯は?」
(´<_` )「この辺は電波が悪いので、おそらく圏外だと思います」
( <●><●>)「でも、もしかしたら繋がるかもしれません。部屋に取りに行ってきます」
( ´_ゝ`)「無駄ですよ」
( <●><●>)「駄目で元々なのはわかってます」
わかってますが立ち上がった。
('A`)「一人だと危ないからブーンも行ってやれ」
( ^ω^)「なんで僕なんだお。言い出しっぺのドクオが行けばいいお」
(´・ω・`)「ドクオはチキンなんだよ。僕がついていく」
ショボンが立ち上がる。
わかってますとショボンは、ロビーを出ていった。
(*‘ω‘ *)「ちんぽっぽ……」
ξ゚⊿゚)ξ「大丈夫ですよ」
( ^ω^)「そうだお!ショボンはチキン野郎のドクオと違って強い男だお!」
('A`)「ひでぇ」
( ^ω^)「チキンが」
ξ゚⊿゚)ξ「チキンが」
( ´_ゝ`)「チキンが」
(´<_` )「チキンが」
(*‘ω‘ *)「チキンぽっぽ」
(;A;)「うっ…」
★
部屋でガクガクブルブルと震えるわかんないんです。
見えざる恐怖に怯え、自分も殺されてしまうのではないかと不安に襲われる。
(((;><)))「なんでこんなことになったのかわかんないんです……」
野鳥観察を楽しむためにやってきたはずだったのに。
こんなことになるなら来なければよかったと、わかんないんですは後悔した。
だが、じっとしていれば襲われないだろうと、わかんないんですは耐え続ける。
(;><)「うう…」
わかんないんですの恐怖心を逆撫でするように、ドアをノックする音がした。
(;><)「だ、誰ですか!?」
声は返ってこない。
ゆっくりとドアに近付き、怖いながらもわかんないんですはドアを開いた。
( ><)「なんだ…驚かさないでください」
ドアを開いたそこにいた人物にわかんないんですは安心する。
だが、
( ><)「うぐっ…」
口を塞がれ、わかんないんですはそのまま部屋の中に押し込まれていった…。
★
(´・ω・`)「ただいま」
( <●><●>)「圏外なのはわかってました」
携帯で電話をしようと部屋に戻ったわかってました達は、とぼとぼとロビーに帰ってくる。
( ´_ゝ`)「もうすぐ朝です。それまで待ちましょう。朝には雪も収まってるはずです」
(´<_` )「橋を越えないと民家もないからな、兄者」
( ´_ゝ`)「あぁ、明るくならないと動くに動けない」
流石兄弟は溜息をつく。
八方塞がりのツン達。
( ^ω^)「少しは眠った方がいいお」
ξ゚⊿゚)ξ「いえ、オールするくらい平気です」
( ^ω^)「そうかお。でも、眠たくなったらいつでも言うお」
ξ//⊿/)ξ「へ、平気です!」
顔を赤くしたツンは、ブーンから顔を背ける。
ξ//⊿/)ξ「眠たくならないと思いますけど、眠たくなったら寝させてもらいます」
そして、恥ずかしそうにつけたした。
★
夜が明ける。
雪も止み、朝日が雪の地面を照らす。
皆に、希望が蘇った。
( ´_ゝ`)「よし、では山を下りましょう」
( <●><●>)「わかんないんですちゃんはまだ部屋なのはわかってます」
('A`)「早くこんなとこからいなくなりたいぜ…」
兄者がドアを開いた。
(;´_ゝ`)「これは、だいぶ積もったな」
(´<_`;)「凄いな。これは、山を下りるだけでも一苦労だ…」
兄者と弟者は呆然と雪が広がる外の景色を眺め続ける。
(´・ω・`)「どうかしたんですか?」
(´<_` )「見てください。予想以上の大雪なんです」
(´・ω・`)「これは、雪に足を取られかねないね」
宿泊客達も雪原となった外を見る。
( ´_ゝ`)「…俺が下りて助けを呼んでこよう」
兄者がぼそっと呟いた。
(´<_`;)「だが兄者…」
( ´_ゝ`)「雪は慣れてる」
(´<_`;)「しかし…そうだ、猟銃があったろ!それを持っていくといい」
( ´_ゝ`)「いや…いい」
兄者は静かに言った。
★
準備を整えた兄者が再度ドアを開いた。
( ´_ゝ`)「じゃあ、行ってくる」
(´<_` )「気を付けてな」
兄者を見送る弟者の顔は、どこか情けなく見える。
( ^ω^)「…なんかお腹空いたお」
('A`)「空気嫁」
(´・ω・`)「緊迫感ないよね」
だが、ブーンの言葉は皆の気持ちを表していた。
(´<_` )「昨日のバイキングの残りしかありませんが…」
ξ゚⊿゚)ξ「じゃあ、わかんないんですさんでしたっけ。その人も呼んで朝食にしましょう」
★
(;´_ゝ`)「なんてことだ…」
兄者は絶望した。
やっとここまで来たというのに。
(;´_ゝ`)「橋が、焼け落ちてやがる…」
★
わかんないですの部屋に揃って向かう一同。
( <●><●>)「わかんないですんちゃん、朝になりましたよ」
(*‘ω‘ *)「ちんぽっぽ!」ぼいんっ
助かる見込みがあり、わかってますとちんぽっぽは嬉しそうにわかんないですを呼ぶ。
しかし、返事はなかった。
(´<_`;)「開けますよ…」
皆に嫌な予感が立ち込める。
静か過ぎる部屋。
部屋の奥に、人の足が見えた。
(;<●><●>)「わかんないんですちゃん…?」
わかってますが、恐る恐る部屋を覗き込む。
( ><)「……」
(;<●><●>)「わかんないんですちゃん……」
(*;ω;*)「ち、ちんぽっぽぉー!!」
ちんぽっぽはツンに抱きつき、泣き崩れる。
ξ゚⊿゚)ξ「……」
ツンはただ黙って、ちんぽっぽを優しく抱き締め続けた。
(´<_` )「もう…もう嫌だ…」
独り言のように、弟者が呟く。
そして、部屋から飛び出していった。
('A`)「どうしたんだ?」
( ^ω^)「とにかく、一人は危険だお」
(´・ω・`)「追いかけよう」
三人が弟者を追う。
ξ゚⊿゚)ξ「私達も行きましょ」
(*;ω;*)「ぽっぽ……」
( <●><●>)「はい……」
落ち込む二人をなだめながら、ツンは部屋を出る。
「や、やめるお!!」
「うるせー!!」
ロビーが騒がしい。
ツン達は急いだ。
ξ゚⊿゚)ξ「何かあったんです…か……」
駆け付けたツンだが、その光景を見て硬直する。
弟者が、ブーン達に猟銃を向けていた。
(´<_` )「もうウンザリだ!犯人は誰だ!?」
(;'A`)「お、落ち着いて…」
(´<_` )「うるせーっつってんだよ!!」
(;'A`)「ヒィィ」
銃口を向けられ、思わずドクオは両手を上げた。
(´<_` )「早く名乗り出ろ!!今すぐここで撃ち殺してやる!!」
弟者は、周りが見えなくなってしまっている。
(;^ω^)「僕は犯人じゃないお…」
(´<_` )「あぁもういい!全員殺せばそれで終わりだ!!」
銃口がブーンに向く。
そして、引金が引かれた。
ξ;゚⊿゚)ξ「らめぇ!!」
ツンの叫ぶ声と同時、ロビーに銃声が鳴り響く。
だが、ブーンは無傷だった。
(´<_` )「あ…が……」
血濡れになった弟者が、その場に倒れた。
猟銃は暴発したのだ。
(;^ω^)「た、助かったお…」
力が抜け、ブーンはその場に座り込む。
(´・ω・`)「可哀想に」
ショボンが近付き、生死の確認をした。
(´・ω・`)「息はもうしていないよ」
('A`)「こいつが犯人だったのか?」
(´・ω・`)「いや、たぶん錯乱しただけだ」
弟者の最期に、皆が憐れむ。
そんな時、ドアが開いた。
( ´_ゝ`)「……はあ」
がっくりと肩を落とす兄者。
( ´_ゝ`)「ん?煙臭い…?」
何かの異変に気付く。
皆の表情が思わしくない。
兄者は、その異変の原因を理解した。
(;´_ゝ`)「弟者……」
(´・ω・`)「錯乱して、撃とうとした銃が暴発したんです…」
(;´_ゝ`)「猟銃は手入れがしていなくて危なかったんだ…だから持っていかなったのに……」
目の前が真っ暗になり、膝をつく。
(´・ω・`)「こんな時に訊くのは悪いんですけど…助けはどうなったんですか?」
( ´_ゝ`)「え?あぁ、橋は誰かに焼き落とされていました…」
すぐに助けは来ない。
見えない殺人犯。
絶望的な現実。
( ^ω^)「そ、そうだお!山は越えられないのかお!?」
( ´_ゝ`)「できることはできますが、奥になるともう道という道もありません」
(´・ω・`)「この雪も重なってとても迷いやすくなってるわけだ」
( ´_ゝ`)「はい。それに、この辺には温泉があって、時々高温の間欠泉が吹き出して危険なんです」
兄者の説明に、皆の表情が暗くなる。
助かる見込みはないのか…。
(´・ω・`)「だが僕はその助かる道に賭けるよ」
('A`)「おいショボン!?」
(´・ω・`)「ここでじっとしてたって、どうせ殺されるか錯乱して自殺するかがオチだ」
ショボンがドアに向かって歩きだす。
(´・ω・`)「それじゃ」
そう言うと、ショボンは山荘を出ていった。
('A`)「待て!ショボン!」
( ^ω^)「行っちゃったお…」
('A`)「追いかけて連れ戻してくる!」
ショボンを追ってドクオが山荘を飛び出した。
( ´_ゝ`)「待ってください!ここでバラバラになるのは!」
兄者も山荘を飛び出した。
(;^ω^)「なんか一気に数が減ってしまったお…」
ξ゚⊿゚)ξ「私達は、じっとしていましょう…」
ツン達は弟者の死体があるロビーから、フロントに向かった。
ツン、ブーン、ちんぽっぽ、わかってます…。
どんどん人が、消えていく。
★
('A`)「おーい!ショボーン!!」
( ´_ゝ`)「あんまり大きな声を出すと雪崩が起きますよ…」
('A`)「ショボンの方が心配です!」
兄者の注意も聞かず、ドクオはショボンの名前を呼び続けた。
('A`)「ショボン…どこに行っちまったんだよ……」
「うわあああああ~~っっ!!!!」
山に木霊する叫び声。
ショボンの声だ。
('A`)「ショボンだ!」
( ´_ゝ`)「向こうです!」
二人は声がした方に急ぐ。
雪に足を取られそうになるが、必死に走った。
そして辿り着いたのは、崖だった。
雪で滑ったのか、足場が崩れている。
('A`)「嘘だろ…」
( ´_ゝ`)「この高さでは助かるまい…」
ショボンの絶命を覚悟する二人。
( ´_ゝ`)「戻りましょう、他の皆さんが心配です」
('A`)「チクショウ…チクショウ!!」
自暴自棄になり、ドクオは走り出す。
( ´_ゝ`)「あ……勝手な奴だ」
追いかける気にもならない兄者は、とぼとぼと歩き出した。
と、その途端、後頭部に鈍痛が走った。
( ´_ゝ`)「え…?」
わけもわからず、体が雪の地面に倒れる。
見上げると、そこには人の顔があった。
(;´_ゝ`)「ま、待ってくれ…殺さないでくれ……」
頭に、二度目の殴打。
(;´_ゝ`)「た、助け…」
もう一撃。
兄者は、雪の地面に伏した。
★
(;'A`)「はぁ…はぁ…」
走ったところでショボンが帰ってくるわけでもないのに。
('A`)「なんで、無料宿泊券なんか当たっちまったんだよ……」
こんなところに来る前は、自分はラッキーだと自惚れていた。
だが、殺人鬼に襲われ、宿泊客や友人が次々消えていく中、何がラッキーというのだろう。
('A`)「はあ…こんなことなら家でヒキってりゃよかった…」
そんな後悔にかられながら、ふとドクオは山荘の方向を見る。
('A`)「ん?ありゃ…ヤベェ、雪崩だ!」
★
雪崩が迫っていることなど露知らず、ツン達はドクオ達の帰りを待っていた。
( <●><●>)「実は、来週結婚するんです…」
今まで黙っていたわかってますが、唐突にそんなことを言った。
(*‘ω‘ *)「ぽっぽ?」
( <●><●>)「ちんぽっぽちゃんと…わかんないんですちゃんには、帰ったら言うつもりでした」
( ^ω^)「何はともあれ、おめでとうだお!」
ξ゚⊿゚)ξ「こんな時ですから、明るい話題があっていいですね」
(*‘ω‘ *)「ちんぽっぽ!」ぼいんっ
少しだけ、暗い雰囲気が晴れる。
(//<●><●>)「祝福されるのはわかってました」
わかってますが照れ、皆も笑う。
だが、そんな笑顔も、すぐに消えた。
('A`)「みんな逃げろ!雪崩だ!!」
(;^ω^)「な、なんだってー!?」
ツン達は急いで山荘を出る。
雪崩はすぐ側まで迫っていた。
(;*‘ω‘ *)「ちんぽっぽ!!」
ちんぽっぽが転んだ。
ξ;゚⊿゚)ξ「ちんぽっぽさん!!」
ツンが立ち止まる。
(;^ω^)「ツンちゃん!!」
(;'A`)「危ねえ、ブーン!」
ブーンをドクオが止める。
雪の波が、ツン達とブーン達を遮った。
★
ξ-⊿-)ξ「う…ん……」
ゆっくりと目が覚めていく。
体は随分雪に埋もれていた。
ξ゚⊿゚)ξ「私、助かったんだ……」
(*-ω-*)「……」
ξ゚⊿゚)ξ「ちんぽっぽさん!?ちんぽっぽさん!」
(*‘ω‘ *)「ぽ…ぽ?」
ξ゚⊿゚)ξ「良かったぁ」
ツンとちんぽっぽは無事だった。
幸い怪我もない。
ξ゚⊿゚)ξ「ブーンさん達は…どこにもいない」
辺りを見渡しても、ツンとちんぽっぽ以外は誰もいなかった。
ξ゚⊿゚)ξ「立てますか?みんなを探さないと」
(*‘ω‘ *)「ちんぽっぽ…」
二人はゆっくりと立ち上がる。
(*‘ω‘ *)「ちんぽっぽ…」
ξ゚⊿゚)ξ「え?渡したい物?」
ちんぽっぽは、一枚の写真を取り出してツンに渡した。
その写真には、ちんぽっぽとわかんないんですとわかってますが、仲良く写っている。
(*‘ω‘ *)「ちんぽっぽ」
ξ゚⊿゚)ξ「死んだら持ってて欲しいって…縁起でもない」
ツンに写真を託すと、ちんぽっぽは先に歩き出した。
ツンは写真を大事そうにしまうと、ちんぽっぽの後に続く。
山の中を進みながら、二人はブーン達を探した。
自分達も助かったのだから、ブーン達も生きていると信じて。
(*‘ω‘ *)「ちんぽっぽ」
ξ゚⊿゚)ξ「そうですね。少し休みましょうか」
その場に立ち止まり、一息付く。
だが、本当に一息付くだけになった。
ちんぽっぽの後ろの木の陰から、腕が伸びる。
(*‘ω‘ *)「ぽ…?」
その腕はちんぽっぽの首を掴み、そのままちんぽっぽを…。
ξ゚⊿゚)ξ「え…」
鈍い音がした。
木の陰から、生気の感じられないちんぽっぽが倒れてくる。
ξ;゚⊿゚)ξ「いや…いやああああ!!」
ツンは走った。
あの場から一歩でも遠くへ逃げるため、とにかく無我夢中だった。
ちんぽっぽを殺した者が追ってこないかツンは背後を見る。
ξ>⊿<)ξ「キャッ!」
(;^ω^)「おぶっ!?」
ξ;゚⊿゚)ξ「いや!いやぁ!!」
(;^ω^)「落ち着くお!僕だお!」
前を見ていなかったツンは、ブーンと衝突してしまった。
混乱しながらもツンは周りを見る。
ドクオとわかってますもいた。
ξ゚⊿゚)ξ「あ…ブーンさん」
( ^ω^)「無事で良かったお。どうかしたのかお?」
ξ゚⊿゚)ξ「ちんぽっぽさんが…ちんぽっぽさんが!」
必死なツンの顔に、ブーン達は何かあったのを察した。
( <●><●>)「ちんぽっぽちゃんが死ぬことは、わかっ…わかって…わかりません……」
悲しみに暮れるわかってます。
('A`)「…俺達だけでも、助かろう」
( ^ω^)「そうだお!」
ドクオとブーンの言葉にツンは頷く。
( <●><●>)「そんなことは、わかってます」
涙を拭って、わかってますは言った。
ブーンがツンを起こすと、四人は歩き出した。
一歩一歩、雪の地面を踏み締め、助かることを祈る。
( <●><●>)「皆さん洞窟です!これで助かるのはわかってます!!」
わかってますが、洞窟を発見した。
( ^ω^)「どこかに繋がってるかお…」
( <●><●>)「当然です!わかりきってます!」
わかってますは洞窟に急いだ。
(;^ω^)「ま、待つお!」
ξ゚⊿゚)ξ「私達も急ぎましょう!」
('A`)「ブーンとツンちゃんは先に行け。俺はここで奴を食い止める」
(;^ω^)「ドクオ!」
止めようとするブーンだったが、ドクオの顔は真剣だった。
ドクオは、ブーンとツンを先に行かせる。
('A`)「出てきやがれ!!」
ドクオが声を張り上げる。
後をつけられていることに、ドクオは気付いていた。
ドクオの言葉に応えてか、誰かが姿を現す。
('A`)「な…まさか……」
ドクオは驚いた。
だが、すぐに正気に戻る。
('A`)「ブーン!!気を付けろ!!奴は……」
声が途切れた。
ドクオの首が、飛んだ。
★
( <●><●>)「もうすぐなのはわかってます…助かるのはわかってます…」
(;^ω^)「はぁ…はぁ…」
ξ;゚⊿゚)ξ「わかってますさん、ま、待って……」
猛進するわかってますを、息を切らしながらブーンとツンが追いかける。
しかし、わかってますの猛進も、終わりを告げた。
行き止まりである。
(;<●><●>)「な……」
声にならない声を上げる。
その時、わかってますの上から、不気味な音がした。
わかってますが見上げたそこには、今にも崩れそうな岩盤が…。
( <●><●>)「死ぬのは……わかってます」
巨大な岩が、わかってますの直上に崩れ落ちた。
(;^ω^)「あ…あ……」
ξ;゚⊿゚)ξ「わかってますさん……」
( ^ω^)「引き返すお。ドクオが心配だお」
ξ゚⊿゚)ξ「はい…」
岩に埋もれたそこから目を背けるように、ブーンとツンはその場を後にしようとする。
「いや、心配する必要はないよ」
( ^ω^)「そ、その声は…ショボンだおね」
(´・ω・`)「やあ」
( ^ω^)「無事で良かったお!!」
ブーンが喜んでショボンに近付こうとした。
ξ;゚⊿゚)ξ「待って、ブーンさん…」
顔を引き吊らせたツンがブーンを止める。
( ^ω^)「どうかしたのかお?」
m9ξ;゚⊿゚)ξ「あれ…」
ツンがある物を指差した。
それは、ショボンが手にしている、血の滴った鉈。
(´・ω・`)「そう。僕がこの殺人、そして最近の猟奇殺人事件の犯人だよ」
(;^ω^)「そんな、何かの間違いだお……」
(´・ω・`)「いや、これは事実だ。すまない」
いつもと変わらないショボンだった。
(´・ω・`)「最初は雪の中で寒かったな。まぁ、橋を落とすために外に出たんだけどね」
ニダーの時のことである。
(´・ω・`)「カップルも簡単だったね。キーを盗んで密室にしたのに誰も触れなくて寂しかったよ」
しぃとギコだ。
(´・ω・`)「オーナーの弟は残念だったね。でも兄の方は堪能させてもらったよ」
流石兄弟…。
(´・ω・`)「怖がりな子とちんぽっぽとか言ってる子も楽だったね」
そして、わかんないんですとちんぽっぽ…。
言い終わると、ショボンが近付いてくる。
殺意に満ちた瞳を輝かせて。
(´・ω・`)「でもやっぱり…友達を殺すことほど、快感はないね」
(;^ω^)「お……」
ξ;゚⊿゚)ξ「あぁ……」
恐怖に二人の足が疎む。
ショボンが鉈を振り上げた。
(´・ω・`)「このは鉈はサービスだ!受け取れぇ!!」
鉈が降り下ろされる…と、思われた。
(´゚ω゚`)「ぎゃあああぁぁぁ!!」
ショボンの断末魔が轟き渡る。
間欠泉がショボンを目がけて吹き出したのだ。
熱湯が容赦なくショボンを打ち付ける。
降り下ろそうとした鉈は宙を舞い、そして…
(´゚ω゚`)「あ……」
間欠泉の噴射が終わると同時、ショボンの脳天に突き刺さった。
壮絶な最期を向かえたショボンを、ブーンとツンはまじまじと見詰める。
(;^ω^)「これでやっと終わりだお…」
ブーンが呟く。
ξ゚⊿゚)ξ「いえ…違うわ」
ツンが呟く。
ξ゚⊿゚)ξ「まだ、私達二人が残ってる」
( ^ω^)『ドクオは本当にラッキーな男だお』
<#ヽ`∀´>『なんで起こさなかったニダ!!』
( ´_ゝ`)『……一生帰ってこなきゃいいのになぁ』
<ヽ`∀´>『ふ~…ジョロジョロ出るニダ』
(´・ω・`)『すまない、ちょっと散歩してきたんだ』
( ,,゚Д゚)『は、早くしようぜ』
(*゚ー゚)『駄目、シャワー浴びてくるからちょっと待ってて』
(((;><)))『ぼ、僕は部屋に戻ります!』
(´<_` )『橋を越えないと民家もないからな、兄者』
(´<_`;)『そうだ、猟銃があったろ!それを持っていくといい』
( ´_ゝ`)『いや…いい』
( ´_ゝ`)『この辺には温泉があって、時々高温の間欠泉が吹き出して危険なんです』
( ´_ゝ`)『あんまり大きな声を出すと雪崩が起きますよ…』
( ´_ゝ`)『この高さでは助かるまい…』
( ´_ゝ`)『ま、待ってくれ…殺さないでくれ……』
( <●><●>)『実は、来週結婚するんです…』
ξ゚⊿゚)ξ『死んだら持ってて欲しいって…縁起でもない』
( <●><●>)『皆さん洞窟です!これで助かるのはわかってます!!』
('A`)『ブーンとツンちゃんは先に行け。俺はここで奴を食い止める』
('A`)『ブーン!!気を付けろ!!奴は……』
(´・ω・`)『僕がこの殺人、そして最近の猟奇殺人事件の犯人だよ』
知り得なかったことまで、全てがツンの脳内に流れてくる。
ξ゚⊿゚)ξ「私達は全員、フラグの思うように動き、その結末も決められていた」
ツンは話し続ける。
ξ゚⊿゚)ξ「私達が出会わなければこんなこと起きなったかもしれない」
同じ本を取ろうとして手が触れたあの瞬間から、全ては始まっていたのだろうか。
ξ゚⊿゚)ξ「山荘のみんなも死ななかったかもしれない……」
幸せそうだったしぃとギコ。
結婚するはずだったわかってます。
写真を託されたちんぽっぽ。
ξ゚⊿゚)ξ「ショボンさんだって猟奇殺人犯じゃなかったかもしれない……」
そして何より、友人だったブーン達。
ξ゚⊿゚)ξ「みんな、みんな…」
( ^ω^)「もう終わったことだお」
ブーンは、ツンの肩を優しく抱いた。
( ^ω^)「君を絶対に死なせたりしないお。僕が守り抜いてみせるお」
ブーンは真面目に、そう言い切る。
ξ゚⊿゚)ξ「ブーンさん…」
ツンは目に涙を浮かべて…
そして、口を開いた。
そ れ は 死 亡 フ ラ グ よ 。
- E N D -
登場キャラクター
ξ゚⊿゚)ξ ツン
主人公。
普通の女子大生のはずだったが、実はフラグが起こりやすい体質。
その力は時として周囲にまで影響を与えてしまう。
フラグが発生すると感じ取ることができる(ただし時間差がある)。
( ^ω^) ブーン(内藤ホライゾン)
もう一人の主人公。
ツンのフラグによって出会ってしまった極々普通の大学生。
VIPPER。
('A`) ドクオ
ブーンの友人。
チキンだが友達想い。
(´・ω・`) ショボン
ブーンの友人。
フラグのせいかどうなのか、猟奇殺人犯と化してしまった。
(*゚ー゚) しぃ
( ,,゚Д゚) ギコ
バカップル。
セクロスはまだだった。
(*‘ω‘ *) ちんぽっぽ
「ちんぽっぽ」ぐらいしか言わないが、何故か会話が成立する。
わかんないですとわかってますが大好き。
( ><) わかんないです
怖がり。
( <●><●>) わかってます
わかってます。
( ´_ゝ`) 流石兄者
(´<_` ) 流石弟者
山荘を経営している兄弟。
<ヽ`∀´> ニダー
半島人。
すぐファビョる。
彼等が関わった主なフラグ
( ^ω^)『ドクオは本当にラッキーな男だお』
大抵この先ラッキーなことは起こらない。
<#ヽ`∀´>『なんで起こさなかったニダ!!』
フロントで凄い剣幕で怒っている客は犠牲者になりやすい。
( ´_ゝ`)『……一生帰ってこなきゃいいのになぁ』
何気ない一言がその通りになったりする。
<ヽ`∀´>『ふ~…ジョロジョロ出るニダ』
小便は注意が散漫して狙われやすい。
(´・ω・`)『すまない、ちょっと散歩してきたんだ』
雪が酷くなっているというのに明らかに不自然な行動。
( ,,゚Д゚)『は、早くしようぜ』
(*゚ー゚)『駄目、シャワー浴びてくるからちょっと待ってて』
イチャつくカップルは狙われやすい。
シャワーに行くと確率が更に上がる。
(((;><)))『ぼ、僕は部屋に戻ります!』
一人で部屋にいても到底助からない。
(´<_` )『橋を越えないと民家もないからな、兄者』
その橋が無くなっていることの複線。
(´<_`;)『そうだ、猟銃があったろ!それを持っていくといい』
( ´_ゝ`)『いや…いい』
猟銃は使ってはいけないことの暗示。
( ´_ゝ`)『この辺には温泉があって、時々高温の間欠泉が吹き出して危険なんです』
後々間欠泉が出てくる複線。
( <●><●>)『実は、来週結婚するんです…』
結婚できないまま帰れぬ人になってしまう。
ξ゚⊿゚)ξ『死んだら持ってて欲しいって…縁起でもない』
大切な物を託すと託した人物は死にやすい。
「縁起でもない」が加わると本当に縁起でもなくなる。
( <●><●>)『皆さん洞窟です!これで助かるのはわかってます!!』
目立たなかった脇役が急に全面に出てくるのはもうすぐ死んでしまう暗示。
('A`)『ブーンとツンちゃんは先に行け。俺はここで奴を食い止める』
食い止められない。
('A`)『ブーン!!気を付けろ!!奴は……』
大事な部分は伝えられない。
(´・ω・`)『僕がこの殺人、そして最近の猟奇殺人事件の犯人だよ』
自分から正体を明かすと自滅する。
など。
( ´_ゝ`)『あんまり大きな声を出すと雪崩が起きますよ…』
雪崩が起きる複線。
( ´_ゝ`)『この高さでは助かるまい…』
だが助かっている。そもそも落ちていない。
( ´_ゝ`)『ま、待ってくれ…殺さないでくれ……』
命乞いは逆に殺されてしまうパターン。
これで投下終了です
最後の最後でミス連発スマソ
映画や二時間ドラマの感覚を目指し書いたがそれが伝わったかが心配
密室殺人になっていた指摘されて気付いだ
無理矢理だがショボンの正体判明シーンで補完できました、ありがとう
>>294
楽しかった!
ホントに乙!
>>294
GJ!!!
wktkさせて頂きますたwww
>>1乙
今追いついた
内容もよくまとまってて面白かったお( ^ω^)
斬新でよかった>>1乙
>>1
おもしろかった
GJ!
コメント
kusomushi | URL | -
( ´_ゝ`)『この高さでは助かるまい…』
だが助かっている。そもそも落ちていない。
で、やっと犯人が分かったorz
( 2006年09月21日 06:14 [編集] )
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